大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和31(あ)2719 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人山本五郎の上告趣意について。

第一は、憲法三八条二項違反を主張するけれども、所論被告人及び関係人等の自

白が不当に長い拘禁の後になされたものと認められないとした原審の判断は正当で

あつて、所論違憲の主張はその前提を欠き、第二は、原審の認定に副わない事案を

前提として憲法三八条一、二項違反を主張するものに過ぎず、第三は、単なる訴訟

法違反の主張をなすにとどまる。のみならず所論検察官の面前における供述を録取

した書面の証拠能力は刑訴三二一条一項二号の要件に適合する場合に限られること

勿論であるが、同号但書の「特別の情況」の存否に関する調査は常に右書面の証拠

調前にしなければならないものではなく、その時期方法等については事実審裁判所

の裁量にまかされているものと解するを相当とする。従つて裁判所が右書面の証拠

調をなすに当りては、必ずしも右の点に関する検察官の立証にまつことを要しない

ものというべく、検察官において特にこれが立証をしないで右書面の証拠調の請求

をしたからとて、これを以て違法ということはできない。論旨は、いずれも刑訴四

〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三十一年一二月七日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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裁判官 池 田 克

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